「こんなの使ってるのですか?」とよく言われます…時計作家の前は「カッターの魔術師」
先日納品させていただいた腕時計です。
オーダーメイドでご注文いただいたのですが、
「ケースのデザインはこれ」
「文字盤は数字を入れて、あとダイヤモンドが3個あるので使えたら使ってください」
「ベルトはプクッとしたやつ!」
以上3つの注文であとはお任せ。
で、出来上がった時計がこの時計です。
実はこの時計のベルト、ケースにあわせてデザインしたオリジナルなのですが、ステンレス製のバネ棒で時計本体に付いているので交換可能だし、Dバックルを取り付けることも可能なこだわりの革ベルトなのです。
最近は忙しくなってしまってあんまりお受けしないのですが、以前はベルトだけのオーダーも作っておりました。とくに市販されていないサイズのものや独特な取り付け方法のもの等、お客様が困っていると「なんとかしてあげなくっちゃ!」と思って受けてしまいますね… 。
こちらの写真の時計はベルトだけお作りしました。
お客様がとっても気に入っていてまだまだ使いたいという時計なのですが、なんとベルト幅が26ミリ! ふつうはメーカーさんで扱っていそうなものですが、もう作っていないとのこと。
「じゃ~、作りましょう。」そして必ず付け加える言葉があります。
「けれど独学なので作風はこんな感じですがよろしいですか?」と。
べつに自信が無いわけではないのですが、たまに実演などで作業風景をみたお客様に言われます。
「えっ? こんなの使ってるのですか?」

すこし照れくさいけれど、「はいっ!グラフィックデザイナーの時から・・・いやもっと前、美大受験のデッサンの鉛筆を削るときから使っているので、いちばん使いやすいのです」…と、正直に言うようにしてるのです。
そう・・・時計作家の前、ぼくは「カッターの魔術師」といわれていたのでした。。。
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